極小エリアマガジン
福岡市城南区別府6丁目
#44
Interview
「新築ラッシュ!人気住宅地・別府エリアの居心地の良さとは?」
『とこやとこうや』 オーナー・都甲清志さん

新築ラッシュ!人気住宅地・別府エリアの居心地の良さとは?

今回フォーカスするのは、地下鉄の延伸開業で“暮らしの快適化”が進む沿線、福岡市城南区別府エリア。地下鉄別府駅周辺は現在マンションの建設ラッシュで、地価もこの10年間高騰し続けている注目のまち。そんな人気住宅地・別府の魅力を掘り下げるために、このまちでバーバーサロン(理容室)『とこやとこうや』を営む都甲清志さんにインタビュー。長年このまちでサロンを営み、住み心地をよく知る都甲さんから、別府に惹かれる理由について話を伺う。

この20年でまちが大きく変化。そして今、別府の環境がさらに進化!

福岡市城南区別府は、国道202号線と城南学園通りの2つの主要道路が通る住宅地。東側に再開発で賑わう六本松、西側に荒江団地が建ち並ぶ荒江、南側は小高い丘が連なる茶山や金山、北側には都会的な雰囲気の住宅地・鳥飼が隣り合う。
*参考:(Vol.33 福岡市中央区六本松1丁目編参照)(Vol.2 福岡市城南区鳥飼5丁目編参照)

今回地域について話を伺うのは、別府6丁目にバーバーサロン(理容室)を構える『とこやとこうや』のオーナー・都甲清志さん。2000年にこの地にサロンを開業し、別府歴23年と長くまちに寄り添い、その朗らかな笑顔とキャラクターでご近所さんからも親しまれる人気者だ。そんな都甲さんに、別府にバーバーサロンを開いた経緯から訪ねてみよう。

「実はお店を開くまで、別府のことをあまり知らなかったんです。独立開業する際に物件選びをしていて、最初は南区塩原に絞って探していたのですがなかなか見つからず…。そんな矢先、この物件の大家さんが僕のお客さんだったことから、自然な流れで内見をしに行ったのがきっかけです」

当時、都甲さんが物件選びで条件に上げていたのが「歩道が広いこと」。軒先から車道までの歩道にゆとりがあり、明るい環境が第一希望だったという。そして、都会の喧騒を感じずにいられるゆっくりした雰囲気も条件の一つだった。

「この物件を内見したときに、僕が思い描いたように歩道が広く、通りの雰囲気も明るくて、希望通りのロケーションだったんです。直感的に『ここは気持ちがいいかも!』と思ったんですよね。ちなみに、当時はまだ地下鉄別府駅が開業しておらず、平尾につながる筑肥新道のT字路もできてはいるけど開通していない状況。内見時にこれから地下鉄と筑肥新道が通る話を聞いていたので、まちが新しく変わっていく機運を感じ、しかも理想通りの物件だったことが決め手で、ここに出店することにしたのです」

「これから新しく変わるまちだと思った一方で、腰を据えたら別府の“いにしえ”を感じる機会もありました。ご近所さんには何十年も住んでいらっしゃる地元の方がたくさんいて、目の前の道は昔とても狭い道だったこと、区画整理で広くなったこと、他にもまちの歴史などを教えてもらうことがありました。そんな昔話を耳にしてより一層、今の利便性やまちの発展を実感しましたね」

この春、地下鉄七隈線の延伸事業が開業。2005年の七隈線開業以来となる大規模なインフラ設備事業によって、アクセス性が格段に上がり、地下鉄別府駅から博多駅まで乗り換えなしでアクセスすることが可能に。暮らしの快適性も大幅にアップする。

国道202号線沿いに建つ中村学園大学は、別府の道案内でも目標建築物にあがる象徴的スポット。栄養科学部があることでも有名な中村学園大学では、学内の食堂で栄養バランスが取れたヘルシーな定食を近隣住民も味わえていたそうだ。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、現在は一般開放を中断。一般利用再開時期については大学HPを要確認

気持ちをほぐす別府の住環境。“余白”の大切さを実感。

サロンを開店した後に住まいも別府に移し、2年前まで別府に住んでいたという都甲さん。今は別のエリアに住んでおり、通勤で行き来する日々を送っている。一歩離れた場所からこのまちを利用することで、まちの魅力に関する新たな気づきがあったようだ。

「2年前に犬を家族に迎え、ペット可の賃貸マンションに住み替えることになって別府を離れることになったんです。それ以来、通勤で別府を行き来するようになって気づいたのが、【別府は空が広い】ということ。大通り沿いにはマンションが多く建ち並んでいるものの、高層ビルはほとんどなく、さらに数年前に電線の地中化が進み、空を見上げた時に遮るものがなくひらけているんですよね。自宅から別府に出勤する際に『空が広いな〜、気持ち良いな〜』と毎日感じます」

都甲さんが語るように、国道202号線から一歩入ると空の広さを実感する。高い建物や電線がほとんどなく、特に「中村大学前」交差点から茶山・金山へとつながる「城南学園通り」はなだらかな坂になっているので、他のエリアより空の広がりを感じやすいのかもしれない。

「ほら、目線を上に向けると空がスパーンと広がるでしょう?ずっと当たり前に見ていた景色だったけど、これって特別な魅力だったのでは…と思いました。空が広くて明るいと、心にゆとりが生まれて、メンタルのバランスを保てますよね。毎日見る景色って本当に大事!」

茶山方面も、鳥飼方面も、どちらを向いても空が広く感じる

ところで、別府は1丁目から7丁目で構成された比較的大きな地区だ。1・2丁目は別府橋と別府団地に面し、一軒家も多く、昔から住んでいる住民が多いエリア。最近は大通りのマンションを中心に新しい住民も増えている様子。3・4丁目は国道202号線から北側のエリアで、設備の整った築年数が浅いマンションが多く、ハイソな雰囲気が漂う。5丁目には中村学園大学、6丁目には別府小学校、また福岡県立城南高等学校も近く、文教地区に住みたいというファミリー層は要注目のエリアだ。

「うちのサロンは地下鉄別府駅と茶山駅のちょうど真ん中あたり。住む場所としてこの辺りのように落ち着いた雰囲気が良いという人もいれば、利便性が高い国道沿いが良い人もいるでしょう。同じ別府内でも求める環境を選べるので、そういった点も住宅地として人気の理由なのかなと思います」

国道沿いは交通量が多く、都会的な空気感

別府6丁目は地下鉄茶山駅が最寄りになる

国道202号線の大通りはチェーン店のレストランや商店などが連なり、交通量も多いことから賑やかな印象。地下鉄別府駅の裏手には城南区役所があり、転居届や出産届などの各種手続きが近場でできてスムーズ。また早良市民プール、福岡市立城南体育館、民間のスポーツクラブやカルチャーセンターなども点在することから、体を動かしたい人にも打ってつけの環境だ。

ご近所さんに愛される別府の“行きつけ”をピックアップ。

20年以上このまちを見守り続けてきた都甲さん。その長い年月の中でインフラが整い、マンションの増加に伴い若いファミリー層が増え、まちの景色がどんどん洗練されてきているように感じるという。その一方で、「大通り以外は飲食店が少ないのがちょっと惜しいかな(笑)」というリアルな声も。ただ見方を変えると、そのおかげで騒音が少なく、穏やかで落ち着いた環境が保たれているのかもしれない。居心地が良くて子供を育てやすいまち。それが別府らしさであり、別府の最大の特長なのだ。

スーパーや病院など、住民に必要なものは揃っているので快適さは十分!

都甲さんのバーバーサロンには別府以外から訪れるゲストも多く、遠方からのお客さんに紹介している近所のお気に入りのお店や立ち寄りスポットがあるという。

「別府5丁目にあるケーキショップ『sono.(ソノ)』のスイーツがすっごく美味しいんです!!!うちと定休日が被っているので僕はなかなか行けないのですが、お客さんが焼き菓子を差し入れしてくださったり、妻がバースデーケーキを買ってきてくれたり、毎回いただくたびにその美味しさに感動します。あと、うちの並びにあるチーズケーキ屋さん『VERONICA WORKS(ベロニカワークス)』もおすすめ!オーナーの一生懸命な姿を見ると応援したくなっちゃいます。またその隣のうどん屋さん『黒田節』もお客さんに食事スポットとして紹介しています。定食メニューも豊富で、いつも賑わっていますよ」

(写真左)ケーキショップ『sono.』、(写真右)うどん店『黒田節』

そして都甲さん自身も、食やアートなどのイベントを通して、子どもから大人まで、いろんな人が楽しめる場を提供している。コロナ禍前は複数のお店を集めたマルシェイベント「BAR BER MARKET(バーバーマーケット)」を開き、現在はサロン奥のギャラリー「TanneL(タネル)」にてアートの作品展やアパレルの販売会を開催。バーバーの顔だけでなく人と人、人とモノをつなげる掛け橋も担っている。

誰でも気軽に楽しめる『とこやとこうや』がサンドイッチパーラーになるイベントも開催

「要所要所でワクワクする場をつくれたらといいなと思っています。サロンのお客さま以外の方ともふれあえる機会になるので、ぜひ気軽に遊びに来てもらいたいですね」

「こうして振り返ると、別府を拠点にした理由は直感的なものでしたが、実際に暮らし始めたらどんどん別府のまちが気に入って、最初より今の方がずっと好き。朗らかな空気感、利便性、ゴチャゴチャしてないゆとり感、住む方々のお人柄…。自分の中でバランスが良いんですよ。都会でも郊外でもなく、真ん中あたりのちょうどいい立地で、ゆったり心を解放できる場所。ペット可のいい賃貸物件が見つかれば(笑)、このまちに戻ってきたいくらい大好きです!」

天神・博多駅区間の地下鉄延伸開業でアクセス性が格段に上がり、生活の利便性がぐんと向上する別府エリア。必要なものが身近に揃う環境でありながら適度に静かで、広い空を眺めて心地良い暮らしを送れるのは、別府ならではの魅力だろう。今後も城南区の中心部として人気が高まるに違いない。特に、天神・博多に通う働き盛りの世代や、落ち着いて暮らしたいというファミリー層は、別府を拠点に新生活を迎えてみてはいかがだろうか。

Recommend Spot in Befu

素材と手作りにこだわり、噛み締めるほどにおいしいケーキ!

■sono.(ソノ)
住所:福岡市城南区別府5-13-26
営業時間:11:00〜売り切れ次第終了
TEL:080-8011-6974
定休日:不定
※営業日のスケジュールはInstagramを要確認
https://www.instagram.com/sono.cakeshop/

2021年に別府5丁目にオープンしたケーキショップ『sono.(ソノ)』。本場フランスや東京のホテルなどで腕を磨いたパティシエ・ソノさんが切り盛りし、フルーツ農家のもとへ自ら仕入れに行ったり、新鮮な素材を余すところなく使用したりと、こだわりを尽くして一からすべて手作りする。新鮮なフルーツのみずみずしさ、なめらかで軽い口当たりのクリーム、ほろりと香ばしいクッキー生地など、どれもがおいしくてセンスを感じる味わい。ケーキの種類は日によって異なり、Instagramにその日のラインナップが投稿されるので要チェック。また夕方には売り切れることが多いので、ぜひ早めの時間帯に訪れて。

I’m Here
とこやとこうや

住所:福岡市城南区別府6-2-18-1F
TEL:092-822-3635
営業時間:10:00〜19:00
定休日:月曜
https://www.instagram.com/tokoyatokooya/

2000年に理容師・都甲清志さんが開いた別府の小さなバーバーサロン。ヴィンテージの什器やアートなど素敵なインテリアに囲まれたサロン内は、まるで都甲さんの家にお邪魔するような感覚で、自然とリラックスできる空間。ご近所さんをはじめ、飲食店やアパレル関係、クリエイターなどからも人気で、親子2世代で通う常連客も多い。ヘアカットの技術はもちろん、品質にこだわったシャンプーや整髪剤、きめ細やかな施術が評判で、その時々の気分にぴったりのヘアスタイルに仕立ててくれる。また奥にギャラリー「TanneL」を構え、アート展や販売会を不定期で開催。2023年4月2日(日)・3日(月)はサロンが「くらくら食堂×フランソア」のサンドイッチパーラーに変身し、2023年4月15日(土)〜23日(日)は併設のギャラリーにて「サカイコウジ×nishimokko」の額展を開催。

〜 エリア紹介:福岡市城南区別府 〜

福岡市城南区の北部に位置する。1丁目から7丁目まであり、国道202号を境に北側はほぼ平坦、南側は南に進むほど標高が高い(標高5〜20mほど)のが特徴。国道沿いは大型チェーン店や飲食店が並ぶが、大通りから一歩入ると戸建てやマンション、アパートが多数密集する閑静な住宅街に。地下鉄延伸事業の開業によって別府駅から博多駅まで14分でアクセスでき、交通の利便性が向上。また学校法人中村学園の幼稚園・中学・高等学校・大学をはじめとした教育施設が集まり、区役所などの公共施設も近く、子育て世帯に人気。駅周辺は新築マンションの建設が相次ぎ、国土交通省の都道府県地価調査によると地価が右肩上がりで上昇。多くの注目が集まる住宅地となっている。

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