■LITTLE MERMAID(リトルマーメイド) TSUTAYA和白店
住所:福岡市東区和白2-11-35 TSUTAYA和白店内
TEL:092-605-7300
営業時間:9:00~19:00、(金・土曜、日祝日~20:00)
https://tsutaya-bakery.business.site
自然と人のちょうどいい関係。和白で見つけた心のオアシス。
今回は、福岡市東区の北部に位置する「和白」にフォーカス。九州産業大学と福岡工業大学に挟まれた和白エリアは、大型店が建ち並ぶ大通りを基軸に、一歩入ると閑静な住宅街が広がり、さらにもう一歩足を伸ばせば和白干潟の海広場へとつながる、まち・住宅・自然が隣り合うエリアだ。そんな和白を拠点にし、今年からボルダリングジム『CLIMBING AT WALL(クライミング アット ウォール)』のオーナーとなった永野貴大さんから、具体的なまちの特性や魅力をいろいろと伺いたい。
都会と田舎の中間地点。暮らす上での快適性を実感!
北九州出身の永野さんが和白に住み始めたのは3年前のこと。もともと永野さん夫妻はボルダリングジム『CLIMBING AT WALL』の常連客だったという。クライマーとして本格的にスポーツクライミングに取り組む奥さま・由花さんが先にこのジムに訪れ、そんな由花さんに誘われて永野さんもクライミングに初トライし、二人で頻繁に和白へと行き来していたそう。
※当時、永野さん夫妻は一般客としてジムを利用していたが、2021年1月にジムの運営を継承し、オーナーとなった
左が奥さまの由花さん。
当時香椎に住んでいた由花さんは、和白の第一印象についてこう語る。
「都会すぎず、田舎すぎず、ちょうどいい規模感だなと思いました。前に住んでいた香椎は公共交通機関や商業施設が整備されていて、東区の中でも都会的な感じですが、和白はもっとのんびりしていて、いい意味で静かで落ち着いた雰囲気という印象でしたね」
また永野さんも和白と付近のエリアの違いについて教えてくれた。
「和白通り(国道495号線沿い)には大型スーパーやファミレスがたくさん集まっていて、生活する上で何かと便利なんですよ。和白通りを南下すると九産大エリアに入りますが、そこは小さな飲み屋さんがたくさんある学生街で、和白とはまた少し雰囲気が異なります。一方、和白の西側の奈多エリアや、北側の三苫エリアに行くとお店の数が減り、自然に囲まれたのどかなローカルゾーンに切り替わります。そう考えると、和白は程よく栄えていながらゆったりとした空気感も漂う、ファミリー層にも住みやすいまちだなと感じますね」
二人は結婚を機に和白へと引っ越した。エリア選びの最大の決め手は、やはり大好きなジムが近いこと。そして、家賃に対して部屋が広い地域性も利点として大きかったという。「自宅の一室にバッグ工房を構える予定だったので、広めの賃貸マンションを探していました。和白には手頃なファミリー向けのマンションがたくさんあり、探しやすかったですね」と永野さんは振り返る。
「子供を授かった時のことを考えても和白は魅力的! 周りに幼稚園がたくさんあり、小学校と中学校も近いので、子育てには最適な環境だなと思います。あと、応急処置や緊急手術など24時間体制の『福岡和白病院』も住民にとって心強い存在。万が一の際も近くにすぐ駆けこめる病院があるから安心ですね」と由花さん。
思い立ったらすぐ行ける、自然豊かなリフレッシュスポット。
和白に住み始めて、気づいた点も多々あるという永野さん。昼間の国道495号や県道59号線は交通量が多くて活気があるけれど、夜になるとぐっと静まり、家で落ち着いて過ごせること。天気がいい日は散歩する人がたくさんいて、ほんわかとした空気が流れていること。通行人のおじいちゃんやおばあちゃんが気さくに話しかけてきてくれること。会話を通した何気ない交流が日々育まれていること。
「生活面で言うと、福岡和白病院近くの交差点は常に渋滞している印象でしたが、意外なところに抜け道があり、地元住民はそこをうまく利用していることを知りました(笑)。それ以来運転時もストレスなく、快適に行き来できています」
また、和白干潟(わじろひがた)は“地域の宝”だという。自然の海岸線が残る数少ない干潟で、貝やカニなどの底生動物が生息し、東アジアから訪れるさまざまな渡り鳥も見られる貴重な場所だ。かれこれ30年以上前から、地域住民や環境保護団体による熱心な保全活動が行われている。
「和白暮らしの魅力は、コロナ禍でもひしひしと感じました。外出自粛が続いた時は“広めの家に引っ越してよかった”と思いましたし、気分転換したい時は海沿いをサイクリングしながらリフレッシュするなど、自然を身近に感じながら過ごしていました。改めて、暮らす上で環境は大事だと感じる日々です」
趣味がサイクリングという永野さん。和白干潟付近はお気に入りスポット!
海岸線の遊歩道は地域住民の散歩コース。
和白暮らしを楽しくする、地域コミュニティーの存在。
住宅地にひっそりと佇む和白駅は、JR香椎線と西鉄香椎線の駅舎が隣接する接続駅。博多方面、海の中道方面、新宮方面へ行くことができ、通勤通学、レジャーやショッピングなどの移動がとってもスムーズ。永野さんによると、西鉄香椎線は駅の間隔が比較的短いそうで、奈多や三苫、唐の原、香椎など、生活圏内の近場にサクッと行きたいときに便利なのだとか。
実は今年から、永野さん夫妻は縁あって『CLIMBING AT WALL』の経営を引き継ぐことになり、これまで以上に地域に根差した暮らしを送っている。ジムにはご近所さんはもちろん、職種や年齢層などさまざまな幅広い人が集まり、クライミングを楽しむだけでなく、世間話や情報交換で盛り上がる時間が増えているそうだ。「コンパクトなつくりのジムだからこそ、人と人の距離感が近くて、初対面の方も自然と仲良くなれるんです。併設のカフェでお客さん同士が会話を楽しみ、親交を深めて別の場所でも遊ぶ… といった交流が生まれているようですよ」と永野さん。
『CLIMBING AT WALL』が友達づくりのコミュニティーの場に!
最後に、永野さん夫妻がこれからの和白に対して期待したいことを尋ねてみた。
「来年4月に『福岡和白リハビリテーション学院』の場所に『令和健康科学大学(仮称)』が誕生するそうです。これをきっかけに看護系・リハビリ系を学ぶ若い子たちが和白に集まり、まちがもっと元気になるとうれしいですね。きっと『CLIMBING AT WALL』のコミュニティーも広がるでしょうし、これからも出会いや楽しみの連鎖がどんどん広がったらいいなと思います」
人との距離感が心地よくて、自然とまちが程よく溶け込むまち・和白。誰かと笑いあえる場所にも、心をリセットするための静かな場所にも、行きたいところへすぐに行ける和白の環境はありがたい。日常生活の中でリフレッシュする瞬間をたくさん得られているからだろう、和白に住む人々の表情はゆったりと和やかなオーラに包まれていた。