極小エリアマガジン
城南区飯倉1丁目
#18
Interview
「大人になって改めて気づく、「飯倉」の潜在的魅力とは?」
『NIIHARA』オーナー・新原舞さん

大人になって改めて気づく、「飯倉」の潜在的魅力とは?

国道202号線を六本松から西方面へ。荒江の交差点から南へ曲がったところにある「飯倉」へやってきた。今回は、自然食レストラン『NIIHARA(ニイハラ)』のオーナー・新原舞さんからこの地域について話を伺う。城南区荒江や早良区原に挟まれたエリア「飯倉」にはどんな魅力が隠れているのか、どういった暮らしが楽しめるのか。住民目線のリアルな声を聞いてみたい。

変わらないまちの景色に、ホッと安堵感。

城南区飯倉にて、野菜たっぷりの食事を提供する『NIIHARA』のオーナー・新原さん。もともとは薬院の浄水通りでお店を営んでいたが、2018年に飯倉に移転。浄水通りの雰囲気も気に入っていたが、一人でも無理ない環境+自分のリズムを大切にするために、心機一転、移転先としてこの地を選んだと語る。

物件探しをして、一軒目に見つけたのがこの場所だった。周りの友人からはエリアを含め、「もっと他の場所を探した方がいいんじゃない?」という声を寄せられ、西新方面も検討してみたが、やっぱり飯倉の方がしっくりきたそう。

移転先は大通り(国道263号線)沿いのレトロなビルの2階

「西新は賑やかで楽しいけれど、狭い道や一方通行が多いので、車の運転となった時に私には難しいかなと…。それに比べて飯倉は、のんびりした雰囲気が自分の性格に合っていると思いました。地元が早良区なので土地勘がありましたし、天神からの距離感もわかっていたので、“遠くにきた”という感覚はなく、“飯倉いいな”ってすんなり出せた答えでした」

『NIIHARA』の場所は、城南区と早良区のちょうど境目付近に位置する。

「飯倉は幼少期からバスや車でよく通っていた馴染みのある場所。バスから通りを眺めていると、子どもの頃と街並みがほとんど変わらないことに気づきます。移り変わりが激しい世の中、結構すごいことですよね。地域の雰囲気も昔から変わらないのは、長く続くお店が多いからでしょうか。そういったところも、店を切り盛りする私にとっては安心できる大きな魅力でした」

例えば、創業65年以上を誇る『上田饅頭店』をはじめ、『NIIHARA』が入居するビルの1階にある美容室も45年ほど続く老舗で、隣のフィットネス施設『サンテ飯倉店』もまちのランドマークとして30年以上地域に寄り添い続けている。住所は荒江になるが、『NIIHARA』から徒歩2分のビストロ『ぶぁん』も1981年創業の名店で、新原さんもよく食べに行くお気に入りの店。

移転後に店に訪れた友人やこれまでの常連客は「飯倉って意外と中心部から近いんだね」と、アクセスの良さに好反応だったという。それもそのはず、天神や六本松方面から国道202号線を走ればあっという間。バスの本数も多く、実際に足を運ぶことで行き来のしやすさを実感できるだろう。

自然もコミュニティーも、風通しがいい環境。

幼い頃から慣れ親しんだ飯倉だが、実際にお店を構えて気づいた嬉しい発見もあるそう。その一つは、緑や自然が多いこと。「お店からもチラッと見えますが、窓の向こうに七隈緑地があり、緑地からそよ風が流れてきてとても気持ちがいいんです」と新原さん。七隈緑地内には九州交響楽団の本拠地である『末永文化センター』があり、オーケストラや演劇などが行われるホールと、小さな美術館やギャラリーが併設されている。新原さんも気分転換に足を運ぶこともあるそうだ。

また飯倉は家賃が安く、浄水通りに構えていた店と広さは変わらないけれど固定費はぐっと抑えられているとか。

ご近所さんとの繋がりも日々感じているという。飯倉周辺に住んでいるお客さんが増え、毎日お昼を食べにくる常連客もいる。『NIIHARA』でバランスのとれた食事をとることを日常の習慣として楽しんでいるようだ。

「浄水通りの時と同様に、ご近所さんはみなさん優しい人ばかり。近所のスーパーで会った時などに言葉をかけてくださって、いつも気にかけてくださっているなぁと感じます。お店を一人で回しているのでお客さまを待たせることもありますが、ありがたいことに私のペースに合わせてくださり、親切な方々に恵まれていることを実感します」

ちなみに、新原さんはお店を構える「メガネビル」の組合長を担当し、その中でも気づいたことがあるという。

「飯倉は町内会がしっかりしていると思います。私が組合長を務めている関係で町内会長と電話をする機会がありましたが、お話ぶりから町内会の体制や情報共有がしっかりなされているなと感じました。今では珍しく、月に一度建物内で回覧板を回すんですよ。直接それぞれと話さずとも、回覧板が一種のコミュニケーションのように感じますね」

回覧板には季節のお知らせ、医療関係の相談会、各種セミナーなどのチラシに加え、城南区便りが挟み込まれている

朝採れ野菜が気軽に手に入り、健やかなリズムで暮らせる喜び。

飯倉は1丁目から8丁目まであり、城南区と早良区をまたぐほど広範囲。国道202号線や263号線の大通り沿いには飲食店や商店、量販店などが並び、通りから一歩入ると閑静な住宅街が広がる。まちとベッドタウンが両立し、教育機関や公園が充実しているのも魅力だ。

「飯倉に住んでいる友人が数人いて、『環境がいいからのびのびと子育てできるよ』と口を揃えて言っています。私の住まいは別エリアですが、1日のほとんどを飯倉で過ごしているので住民目線の住み心地がわかる気もします。スーパーやショッピングモールが近所にありますし、少し足を延ばせば福重の農産物直売所や西新のリヤカー部隊(※)で新鮮な野菜を購入できます。以前赤坂に住んでいた頃は『都会じゃないと買い物は成り立たない』と思い込んでいましたが、飯倉でもちゃんと事足りるなって実感しました」
※リヤカー部隊:リヤカーに生鮮食品や保存食、花などを積んで販売する西新商店街の名物的存在

福岡の農作物としては糸島産野菜が有名だが、早良区や西区にも農作物の生産者が多数いて、生産物のクオリティーも高いという。そんな新鮮な野菜を気軽に手に入れることができるのも、飯倉暮らしのうれしいポイントだと新原さんは語る。

「生産者の方が朝持ってきたお野菜を、その日のうちにパッと気軽に買いに行ける距離。収穫したてのお野菜は食感と香りがよく、みずみずしくておいしいですし、身近な場所で採れたものだから安心ですよね。お店を引っ越して良かったなと改めて感じる瞬間です」

近所の直売所で無農薬野菜や珍しい品種の野菜が手に入る

また、飯倉のお気に入りのスポットもいくつか教えてくれた。
「『26 Vingtsix(ヴァンシス)』というカフェがあり、リフレッシュしたいときにおすすめ。公園の真横にあり、窓からの景色が最高で、店主が手作りしたケーキもおいしいですよ。前述の『上田饅頭店』もホッとする味わい。50〜70円の良心価格がうれしくて、黒糖の饅頭をよく買っています」

緑豊かなカフェ『26 Vingtsix』(写真左)と、昔ながらの佇まいの『上田饅頭店』(写真右)

穏やかな表情で「飯倉を選んでよかった」としみじみ語る新原さん。身近な場所に楽しみがたくさんあることを知り、自分らしさを大切にできる生活リズムを手に入れた。また時間にゆとりができた分、静かな環境で仕事に集中できるようになったというメリットも。そんな風に、ライフスタイルに良い変化を与える飯倉の暮らし。大人になって改めて魅力に気づく潜在的魅力をたくさん持つエリアなだけに、長く住む人が多く、今後ますます注目のまちとしてフォーカスされそうだ。

Recommend Spot in Iikura

飯倉の守り神的存在。神聖な空気が流れる『飯倉神社』

住所:福岡市早良区飯倉2-16-3

新原さんのおすすめスポットは、飯倉の住宅街の坂を登ったところにある『飯倉神社』。天穂日命(アメノホヒノミコト)と菅原道真をご祭神とする古い神社。「小高い場所にあるので周りが静かで、空気が変わる気もします」と新原さん。初詣のほか、気分転換に訪れることも多いそう。神社の脇にお不動さま、お地蔵さま、お観音さまが祀られた一角があり、スピリチュアルな空気が流れている。

I’m Here
NIIHARA(ニイハラ)

住所:福岡市城南区飯倉1-4-38 メガネビル201
TEL:090-2588-7549
営業時間:ランチ日〜水曜11:30〜16:30(L.O.15:30)、ディナー土〜水曜18:00〜22:00(L.O.21:00)※緊急事態宣言発令中は、ディナー営業はお休み
定休日:木・金曜、不定
http://niihara.net

季節の野菜をそのままおいしく味わえるように、植物性の出汁や古式調味料を用いて丁寧に仕込み、余計なものを加えずシンプルに調理。食材はなるべく地のものを選び、自家菜園で採れた旬野菜も使用。ランチ(1050円)は魚料理、野菜料理、植物性のカレーの3種類からメインを選べて、前菜とスープ付き。「食の大切さに気づけて、心から健やかな気分になれる」とヘルシー志向の女性を中心に人気を集める。

〜 エリア紹介:城南区飯倉 〜

飯倉のエリア範囲は城南区と早良区をまたぎ、1丁目のみ城南区で、2〜8丁目は早良区に位置する。天神や博多の都市部まで車で約30分。国道202号線を走る路線バスが多数出ているため市街地へアクセスしやすく、また自然豊かな糸島エリアにも車で30分ほどで行けるので、オン・オフを充実させたい人におすすめの住環境。幼稚園、小・中学校が複数点在し、子育て世代にも人気。国道202・263号線沿いには飲食店やスーパーなどが建ち並び、暮らしに必要なものが揃っている。

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