極小エリアマガジン
篠栗町尾仲
#17
Interview
「まち×自然の優しい関係。篠栗町尾仲の住みやすさの真相。」
『パンサク』オーナー・福永兼作さん

まち×自然の優しい関係。篠栗町尾仲の住みやすさの真相。

天神・博多から車で30〜40分。福岡市と飯塚市のおおよそ中間に位置する篠栗町は、「日本三大四国」の一つである篠栗四国八十八ヶ所や、世界一の涅槃像(ねはんぞう)がある「南蔵院」、「大和の森」と言われる若杉大杉群など、歴史的観光名所が点在するエリア。今回の極小マガジンは、そんな篠栗町の主要エリア・尾仲をフォーカス。住まいと店を尾仲に構える『パンサク』のオーナー・福永兼作さんに、このまちの魅力と住み心地を伺う。

自然とまちのちょうどいいバランス感が、尾仲のいいところ。

篠栗町尾仲のメインストリートとなる県道沿いに、2010年にベーカリーショップ『パンサク』を開いた福永さん。美しい自然に囲まれた場所に店を構えたいという気持ちと、人々の毎日の暮らしに寄り添うパン屋さんでありたいという思いで、独立を機に尾仲に引っ越ししたという。

「篠栗町はエリアの2/3が山で占められているほど自然溢れる環境で、それでいて人がたくさん暮らす住宅街も点在しています。僕は山が大好きなので本当はもっと山に近い場所でお店を開きたい思いもありましたが、お客さんには毎日気軽に来てもらいたいですし、経営面を考えると人の行き来が多い環境であることも大事だなと。そう考えると篠栗町尾仲は篠栗の中で一番大きなまち。そして自然とまちの両方を楽しめるバランスのいいエリア。僕にとって理想の場所だと思いました」

福永さんのお気に入りの風景。若杉山を望めるロケーション(勢門幼稚園付近)

またもう一つ、エリア選定の大きな決め手に、尊敬する先輩の存在があったと語る。

「篠栗の山の中にある大人気のカフェ、『陶花』のオーナー・村山さんはかつて勤めた職場の先輩です。村山さんから『篠栗はいいところだよ』とずっと聞いていましたし、僕が店の場所を検討していた時も『こっちにおいでよ!』と声をかけてくれて、背中をぽんと押してくれました」

オープン当時、福永さんの親御さんも「篠栗はのどかなイメージだったけど、尾仲の県道沿いは意外と“まち”なんだね!」と語っていたとか。そんな風にエリアに対して安堵感を示す両親を見て、福永さんもホッとしたそうだ。こうして店を開き、来年で11年目を迎える。パンのおいしさと福永さんの親しみやすさが相まって、今では地域を代表する人気店として知られ、多くの住民に愛されている。

バラエティ豊かな個人店と充実の周辺環境が、快適な尾仲暮らしを支える。

尾仲は福岡篠栗線と呼ばれる一般県道607号線が通り、JR福北ゆたか線「篠栗駅」も徒歩圏内と好アクセス。昔から住んでいる地元民以外にも、最近はマンションや新築戸建住居も増え、新しく住み始める人も多い。またスーパーが3軒も並び、県道沿いには多くの飲食店や商店が連なる。小さな居酒屋や老舗のうどん店、小料理屋、ケーキショップ、中華料理店など、個人経営の飲食店が充実しているので“行きつけ”を見つけるのも楽しそうだ。

もともと篠栗町は旧篠栗町と旧勢門(せと)村が合併して生まれたまち。尾仲は旧勢門村の地域で、子供たちが通う「勢門小学校」、「勢門幼稚園」、「勢門幼児園」などの名称からもその名残を感じる。

福永さんは「勢門幼児園」の給食パンを担当している

「篠栗駅から奥の旧篠栗町は昔から住む地元の方が多くいらっしゃって、それに比べて旧勢門村の尾仲界隈は若い層やヤングファミリー層が多い印象ですね。人口率が高いので、尾仲地区だけで運動会が行われています。たいてい地域主催の運動会って市や町ぐるみで行われますよね、それを尾仲地区だけでできちゃうんです(笑)」。

県道から南側は住宅街が広がり、登下校する子供たちやスーパーの買い物袋を下げた人など、穏やかに生活する様子が伺える。そんな住宅街に『老松神社』という小さな神社があり、福永さんも娘さんの七五三で訪れたり、散歩の際は立ち寄ったりしているそう。境内には参道に身を乗り出すようにたくましく伸びる樹齢300〜400年の巨大な楠木があるのだが、躍動感に満ちた佇まいで、どっしりとした重厚な姿を見るだけで力が湧いてくる。

『老松神社』の楠木

『老松神社』では、1月1日に新年祭、4月25日に春季大祭、7月に夏祭と子供奉納相撲祭、10月におくんち祭、11月に七五三祭、12月に除夜厄除大祭など、伝統的な祭事が今も変わらず行われている。

福永さんは少し照れくさそうに、「まだまだ淡い夢ですが、いつか老松神社でマルシェを開けたらいいなと、ひっそり心の中で温めています」と、胸の内を明かしてくれた。

尾仲で暮らす人々を『老松神社』は静かに見守る

自然とのふれあい、人とのふれあい。心がほっと和む環境がここにある。

尾仲の近所にはバーベキュー場やキャンプ場があり、思い立った時にサクッとフットワーク軽く行ける。「屋外でおいしいごはんを食べることが好き!」と語る福永さんは、ロケーションとアクセスの良さについて太鼓判を押す。

「尾仲内ではないですが、篠栗町には『カブトの森公園』や『樹芸の森公園』があり、ここから車でぱっと行ける距離。僕も友人とよくバーベキューをしに行ったり、景色がきれいな公園でお弁当を食べたりして楽しんでいます。そして山登りも!篠栗南部の若杉山には初心者にもおすすめのルートがありますよ。それこそ、ここ数年キャンプブームが続く中で『若杉楽園キャンプ場』も人気スポットになっていますよね。遠出しなくても近くに自然いっぱいのアウトドアスポットが点在していて、これも尾仲暮らしの魅力の一つです!」

また福永さん曰く、地域の小学生が「滑走路」と呼ぶ道があるらしい。JR福北ゆたか線から一本北に入った道なのだが、八木山方面にまっすぐ伸び、篠栗の山々と住宅街を一望できる。晴れた日の夕暮れ時は山がオレンジ色に照らされ、散歩するには絶好の時間だそう。

通称「滑走路」と親しまれている一本道

ところで、福永さんが営む『パンサク』の常連客の姿から、尾仲の住民がどんな人たちか少し感じ取ることができた。

「常連のお客さんの多くがご近所さんです。その中に、10年前のオープン時からずっと変わらず『パンサク』を応援してくれる“お母さん”みたいな方が複数いて、何かあるごとに声をかけてくれたり、徹夜作業の際はおにぎりを差し入れしてくれたり、面倒見がいい方々に恵まれています。他にも、毎日のように来てくれる住民の方もたくさんいて、尾仲をはじめ篠栗の方に支えられて今があるなと感じます」

人を気遣い、寄り添う姿勢は、日常の何気ない暮らしにも伺える。交通量が多い県道沿いでも対向車などに道を譲るドライバーを多々見かけ、福永さんも「他のエリアと比べてドライバーの優しさが群を抜いていますね」と語る。また普段からみんな心が穏やかで良心的。もしかすると、篠栗の遍路文化(「篠栗四国八十八カ所方」巡り)で培われた“もてなし”の文化が、地域の人々の思いやりに繋がっているのかも…!?その真相はわからないが、大自然に囲まれたまちで、人に優しく、心地よく、快適に暮らす尾仲の住民。笑顔で語る福永さんを見て、この地域の住み心地の良さがしっかりと伝わってきた。

Recommend Spot in Onaka

尾仲のニューフェイス!創意工夫したトッピングが自慢のピザ屋さん

■TUTTI PIZZA(トゥッティ ピザ)
住所:糟屋郡篠栗町尾仲70202
TEL:092-410-9227
営業時間:11:30〜20:30
定休日:木曜

飲食業界で腕を磨いた店主が立ち上げたおしゃれなピザ屋さん。居酒屋時代に培ったアイデアとテクニックで、定番からオリジナリティ溢れる個性派まで、さまざまなピザを提供する。「マルゲリータ」はもちろん、「茄子田楽ピザ」や「激辛モハメドカレー」、自家製ベーコンを使用した「厚切りベーコンのポテトグラタン」など新感覚のピザも体感してみて。写真は「エビと貝柱のアンチョビ」(Rサイズ1700円+税、Lサイズ2400円+税)。

I’m Here
パンサク

住所:糟屋郡篠栗町尾仲695-5
TEL:092-984-1450
営業時間:9:00〜17:00(土曜・祝日8:00〜16:00)
定休日:木・日曜

眺めるだけで胸キュン、一口食べれば思わずニンマリ笑顔になる、幸せの塊のようなパンがずらり。特に動物をモチーフにした「くまぱん」「ひつじぱん」「うさぎぱん」などは子どもから大人まで多くのファンを持つ。また食パンやバゲットもオープン以来長年常連客に支持され、オーナー・福永さん夫妻の実直さと温もりを味わえるおいしさ。店頭にはパンの焼き上がりタイムテーブルが置かれているので、売り切れる前にぜひ訪れて。

〜 エリア紹介:篠栗町尾仲 〜

福岡市内から東に12km行った先にある篠栗町で、中心市街地となるのが「尾仲」。徒歩圏内にJR福北ゆたか線「篠栗駅」があり、博多駅へのアクセスがスムーズ。福岡篠栗線と呼ばれる一般県道607号線が通り、大型スーパーやドラッグストア、ディスカウントストア、コンビニ、医療機関、郵便局など、生活を支える各種施設が充実している。また幼稚園や小学校も地区内にあり、自然が近くに感じられるベッドタウンとして、ヤングファミリー層からも人気を集める。

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