■御菓子 TUGI(ツギ)
住所:福岡市中央区白金1-10-15 KADONOビル1F
TEL:092-521-3833
営業時間:12:00~完売次第終了
定休日:水曜、不定
好奇心と安堵感が交錯する、白金の魅力
福岡市中央区白金。西鉄薬院駅から平尾駅までの縦ラインをカバーするエリアで、交通量が多い日赤通りと高宮通りの狭間に位置する。大通りから一本入ることで閑静なムードが漂い、知る人ぞ知る名店が潜むように点在。この路地裏ならではのロケーションに、楽しい発見がいろいろ転がっているのでは?
そんな期待を込めて、白金に勤務する会社員・尼田真理子さんに、この街の魅力について聞いてみた。
人生初の福岡暮らしが白金界隈でスタート。現在は白金に勤務。
白金1丁目に本社を構える文具メーカー『HIGHTIDE(ハイタイド)』。同社で広報兼イベント企画を担当する尼田さんは、毎日の通勤に加え、趣味の街散策が高じて、白金界隈のあちこちを自転車で行き来している。大人になった今も好奇心いっぱいで、楽しいことを見つけることが得意な尼田さんに、この街の第一印象を尋ねてみた。
「独特の空気感というか、不思議なエリアだなぁと思いました」とクスッと笑う尼田さん。もともと生まれも育ちも東京の彼女は、2014年にIターンで福岡に越してきた。右も左もわからない初めての福岡暮らしは、白金の隣エリア・大宮で始まったそう。
「子連れだったので、家探しでは治安面を最優先しました。あとは、小学校や保育園が近くにあって、天神にも気軽に行けるエリア。Googleマップのストリートビューを見ながら念入りにチェックしたりもしましたね(笑)。福岡に詳しい人に相談したら、『薬院、白金、大宮あたりはオシャレな店が多くて、ファミリーも住みやすい街だよ』と教えてもらい、ちょうど大宮でいい物件が見つかったので、そこから福岡暮らしをスタートさせました」
隣り合う白金と大宮は、大通りに囲まれた比較的小さなエリア。どちらも一方通行の道がたくさんある住宅地で、息を潜めるようにセンスのいい店や、店主のこだわりが光る飲食店が点在している。“生活感と洗練さ”。この絶妙なバランスが、尼田さんの第一印象「不思議なエリア」に繋がる。ちょうど白金と大宮の境に小さな水路があるのだが、尼田さんはここにも親近感を抱いたという。
「東京では中目黒に住んでいました。規模は違いますが、ここも中目黒のように住宅地に気になるお店が点々とあり、小さな橋もあって、川沿いの並木の佇まいもちょっと似ていて、初めてのエリアなのに親しみを覚えましたね」
住民同士で盛り上がり、絆も深まる。アットホームな地域イベント。
尼田さんが実際に住み始めて気づいたのは、街自体がほどよく開けていて、住民同士がコミュニケーションを育んでいること。白金・大宮・高砂界隈には地域交流のイベントが定期的に行われ、子どもや大人たちと顔を合わせる機会が盛んだ。例えば、一本木公園では12月に餅つき大会が開かれ、小学6年生の卒業祝いの紅白餅とともに、参加者用の餅を作ってふるまわれる。
「餅米を釜で焚きながら、同時に焼き芋も焼いて、みんなでつきたてのお餅を食べるんです。1月には福岡県知事公舎隣の白金広場で、正月飾りを集めた左義長(どんど焼き)も行われます。同日に高宮小学校で小学生たちが大縄跳びをして、大人は公民館で豚汁を作り、うちの子たちも楽しそうに遊んでました!あと、高宮小学校のグラウンドで開催される地域対抗の運動会にも参加しましたが、これがなかなかアツくて。白金、大宮、高砂、清川、那の川の住民が一堂に集まって、いろんな種目で競うんです。特にエリア対抗の綱引きは、老若男女が一致団結して大盛り上がりでしたよ!」
1時間の昼休憩にアチコチ巡れる、理想的な位置関係。
大宮暮らしを経て、現在は別エリアに引っ越した尼田さんだが、白金に本社を構える『HIGHTIDE』に勤務しているので、以前と変わらず大好きなこの街を満喫している。通勤中やランチタイムに利用するお気に入りの店を教えてもらった。「この一帯は小さい道が碁盤の目状に伸びていて、わかりやすい目印があまりないので、道に迷う人も多いですよね。ただ、道を間違えてしまったとしても『こんなところに素敵なお店が!』っていう新しい発見もたくさん見つかるから、それが逆に面白い部分だと思います」
ここ数年で白金では新店が相次ぎ、カスタード菓子専門店の『桃川菓子店』や、エッジの効いた和菓子を提供する『TUGI』、断面映えするサンドイッチ専門店『DIG INN』など、女性好みのスイーツショップが増え、ますます注目度が上がっている。
「おそらく、住民以外は、“行きたい店があるから白金へ来た”という人がほとんどなのでは。だからでしょうか、歩行者の方がワクワクと楽しげな表情をしているんですよ! 住宅街で小学生が多いし、街全体が明るい色をまとっているように感じます」と尼田さん。さまざまな側面から魅力を放つ白金。これからも飽きることなく、住民を温かく受け入れ、ほどよい刺激と好奇心で私たちを楽しませてくれることだろう。