極小エリアマガジン
福岡市中央区薬院4丁目
#48
Interview
「快適&スムーズな住環境! 移住者にも人気の薬院エリア。」
『THE ROOTS neighborhood bakery (ザ・ルーツ ネイバーフット ベーカリー)』オーナー・三浦寛史さん

快適&スムーズな住環境! 移住者にも人気の薬院エリア。

おしゃれなカフェ、隠れ家風のレストラン、スタイリッシュな物販店など、魅力的なお店が点在し、まち歩きやグルメスポットとしても注目を集める薬院エリア。天神から徒歩圏内の商業地域でありながら、マンションが連立する住宅地の要素も兼ね備え、働き盛りの世代や県外からの転勤族にも人気のまちだ。今回は、そんな薬院エリアにフォーカスし、薬院4丁目にてベーカリーショップを営む『THE ROOTS neighborhood bakery (ザ・ルーツ ネイバーフット ベーカリー)』のオーナー・三浦寛史さんに、薬院暮らしのメリットや住環境について話を伺う。

薬院に住みたい理由は、生活の利便性だけじゃない…!

福岡市中央区薬院。グルメ通を唸らせる名店があちこちに点在し、若い世代に人気のカフェやライフスタイルショップも軒を連ねていることから、薬院エリアに関心を寄せる人は多いのではないだろうか。しかも、西鉄薬院駅から天神までは一駅で、徒歩や自転車での移動もスムーズで楽ちん。都心部へのアクセスが良好とあって、仕事や遊びを充実させたい人々にとって最高の立地だ。居住地としての人気ぶりは福岡市内における「住みたい街ランキング」にも現れ、薬院は常時上位にランクインしている。

「薬院は天神に近いし、交通アクセスの利便性は本当に感動レベルですよね!」と語るのは、岡山出身の三浦寛史さん。大阪や神戸の有名なベーカリーショップで経験を積み、奥さまの地元である福岡に移住。2016年、地下鉄七隈線・薬院大通駅から徒歩約2分の薬院4丁目に『THE ROOTS neighborhood bakery』をオープンした。移住したての頃は、薬院の抜群のアクセス性に驚きを隠せなかったという。

やはり移住組の三浦さんも、薬院を拠点にしたのは利便性が決め手だったのだろうか?

「たしかにアクセス面の利便性もありますが、薬院4丁目の周辺環境が大きな決め手でしたね。僕が関西時代に働いていたパン屋は大阪の高槻エリアや神戸の芦屋エリアなど、閑静な住宅街にありました。上品で落ち着いた雰囲気がまちに漂い、来てくださるお客様も僕らのパンづくりへのこだわりや価値観に共感してもらえる方が多いエリアでした。だから福岡で独立する際も、浄水通や大濠など、関西の職場と近しい環境で店をやりたいと思ったんです。ここ薬院4丁目は浄水通と隣接していますし、駅近でまさに理想の立地!」

加えて、前の職場だった神戸と福岡(特に薬院)には共通点があるという。それは、近代的なまちと落ち着いた住宅地が溶けこんでいることと、食・オシャレ・暮らしへのアンテナが高いアクティブな女性が多く住んでいること。こうした共通点が根付くまちなら、今まで培ってきたパンづくりへのこだわりを活かしてやっていける。そう確信して、この地に出店したのだとか。

プライベートでは帰省する際など、新幹線利用が多い三浦さん。2023年3月に開業した地下鉄七隈線延伸により、地下鉄薬院駅や薬院大通駅から博多駅まで乗り継ぎなしで行き来できるようになり、アクセス面のパワーアップを心から喜んでいる。地下鉄を利用すれば薬院駅から博多駅まで7分、薬院大通駅から博多駅まで9分と、格段に移動速度が縮まった。

薬院2丁目と4丁目に出入口を有する地下鉄薬院大通駅

丁ごとにまちの特色が細分化。住環境のニーズに合わせてエリアを選ぼう。

薬院は1丁目から4丁目まであり、丁ごとにまちの特色が異なる点が面白い。例えば、1丁目は天神や今泉により近いことから物販店やカフェ、飲食店といった路面店が軒を連ね、薬院の中でも都会的な暮らしを楽しめるエリア。2丁目はマンションの1階に小さな飲食店が入居していたり、入り組んだ路地裏に隠れ家風のレストランがあったりと、住宅地の中にグルメスポットが多数建ち並ぶロケーション。食の選択肢が充実しているので、外食が多い人に最適な環境だ。

(写真左)雑貨店やカフェが並ぶ1丁目、(写真右)飲食店とマンションがひしめきあう2丁目

3丁目は大手企業のオフィスやショールームなどが点在し、リッチな雰囲気の単身世帯用マンションも目立つ。そして4丁目は薬院で唯一、用途地域に「第二種住居地域」を含むエリア。薬院1〜3丁目までは用途地域が「商業地域」なのだが、4丁目の浄水通に近い一角に限っては住居を中心とした「第二種住居地域」に設定され、高級住宅地の閑静なムードがより濃く広がっている。

※用途地域:行政のまちづくりに基づき、建物の種類や用途、規模を定めに応じて分けられた13種類の地域

有名パティスリー「16区」が並ぶ、落ち着いた雰囲気の4丁目

薬院交番前から浄水通にかけて高級住宅地へと切り替わる

「4丁目には新しいマンションが続々と建ちヤングファミリー層が増えたように感じますが、昔から住んでいる方も多く、ご年配の方をよく見かけます。周りの方のお話を聞いていると、お医者さんの住人も多いようですよ。医院は別のエリアに構えているけれど住まいは薬院や浄水通だったり、薬院と別地域のデュアルライフ(二拠点生活)を謳歌されていたり、そんな方も少なくないようです。

うちのお店にも浄水・薬院マダムが来てくださり、お上品な佇まいだなと感じます。その一方で、普段はママチャリに乗ってカジュアルな姿でいらっしゃるけれど、週末はバリッと外車で来られるなど、オンオフの切り替えが上手なお客様もいますね。さらっと洗練された身軽さとゆとりを兼ね備えた、今ドキの薬院スタイルって感じです」

お店だけでなく住まいも薬院に構える三浦さん。マンション共用部分や住民の様子からも、薬院の住環境の特徴が垣間見えるのだとか。

「薬院エリアは利便性が高いですし、広めのファミリー向けマンションになると家賃は割高にはなりますが、建物内の設備が充実していたり、共用部分の清潔感が保たれていたり、住み心地の良さを実感できる物件を見つけやすいのではないでしょうか。僕が住むマンションも落ち着いた雰囲気の住人が多い印象で、治安の良さにつながっていると思います。そうそう、駐車場に停まっている車が『品川』や『世田谷』など県外ナンバーの高級車が多いので、大企業に勤める転勤族や移住者なのかも!? 地下鉄七隈線が博多駅直通になったことで、転勤族や移住者、働き盛りの人々にとって薬院の価値は上がり続けるでしょうね」

(写真左)薬院エリアの高級スーパー『ボンラパス』、(写真右)地域内には小さな公園も充実する

住んでみて実感! 在住者が語る、薬院暮らしの“リアル”な感想。

ところで、三浦さんが店名に「neighborhood bakery(ネイバーフット ベーカリー)」と付けているのは、ご近所さんとして親しまれる存在、地域のためのお店でありたいからという想いが込められている。その背景には、三浦さん自身が周りの人からもらった温かな声やサポートがあり、助力してもらった恩が日々勤しむパンづくりの燃料になっているそうだ。

「福岡に移住すると決めて仮住まいをしていた頃、飲食店で隣り合った人とお酒を酌み交わしたり、意気投合して仲良くなれたり、地元の方のオープンマインドな人柄に惹かれる機会が多々ありました。地域の人々の気質を知ったことで、移住の意欲やワクワク感がグンと高まりましたね。独立後も近所のレストランのオーナーさんに宣伝してもらったり、人と人を繋いでもらったり、『困っていることがあったらなんでも言ってね!』と気にかけていただき、本当に心強かったです」

現在も足繁く通ってくれる近隣住民や顔馴染みの常連客に恵まれ、「店対客」の関係性を越えた「人対人」のつながりを実感しているという。行列ができることで会計まで待たせてしまう時もそう。状況を理解して温かい姿勢で待つお客さんたちに心救われる毎日。「ご近所さんをはじめご来店いただくみなさんは、心にゆとりがある方が多くて、たくさんの優しさに助けてもらっています。」そんな感謝の想いを胸に、オープンキッチンスタイルの工房でお客さんを笑顔で迎え、一つひとつおいしいパンを提供し続けている。

こうして仕事に邁進するあまり、なかなかプライベートの時間を確保できないというのも三浦さんのリアルな事情。だからこそ職場から至近距離である同じ薬院に住み、通勤時間を大幅に短縮することで一日のタイムスケジュールを調整し、限られた時間の中で休息の時間と家族団欒のひとときを保っている。移動はもっぱら自転車。まちなかの移動であれば自転車の方が早い場合も多々。それこそ薬院は、“車を持たない生活”を叶えやすいエリアであり、三浦さんもそれを実践する者の一人だ。

「薬院からであれば、『ちょっとデパ地下に行こっか』と思い立ったら歩いてパッと行けるし、区役所や市役所までも散歩がてら行けますもんね。近くに生活に必要なものや、暮らしを楽しくさせるお店が豊富に揃うので、不自由なく暮らせます。どうしても車が要るときはカーシェアリングをすればOK。薬院にはステーションがいっぱいありますよ!」

「住環境としての不満がパッと思い浮かばないくらい、リアルに薬院というまちが気に入っています。これからも公私ともに薬院暮らしを続けていきたいですね!」と三浦さん。店を営むオーナーとして、また住民として、地域に対してネガティブなイメージが浮かばないという彼の言葉は、薬院暮らしの魅力と価値を最大限に表している。

前述のように、薬院には丁ごとにさまざまな特色が散りばめられ、住環境に求めるニーズに合わせてエリアを選択できる。都会に近いエリアでよく働きよく遊びたい人、移動時間を最小限に抑えたいタイムパフォーマンス重視の人、外食が多い人、子育てのしやすさを求める人、ハイソサエティなエリアで落ち着いた生活を送りたい人…。自分にとって住み良い住環境を考えたときに、選択肢に「薬院」が浮かぶ人はきっと多いはず。ぜひこのエリアを中心に、最良の住まいを見つけてみてはどうだろうか。

Recommend Spot in Yakuin

おひとりさまも入りやすい、アットホームなイタリア食堂

■イタリア食堂SORA(ソラ)
住所:福岡市中央区薬院2-17-1 ライオンズマンション薬院第2 1F
TEL:092-707-0995
営業時間:12:00~L.O.13:00
     (※ランチは土日祝日のみ)
     18:00~L.O.22:00
定休日:火曜
https://www.instagram.com/sorafukuoka/

糸島豚や糸島野菜、唐津産の生ウニなど、九州の食材をふんだんに使ったイタリア料理を楽しめる“イタリア食堂”。人気メニューであるウニのトマトクリームパスタは、モッチリとした食感とウニの旨味が魅力で、三浦さんも「絶対味わってほしい!」と太鼓判を押す一品。他にもジューシーな糸島豚の自家製ソーセージなど、イタリアワインとのマリアージュを楽しめるメニューが充実。『THE ROOTS neighborhood bakery』のカンパーニュと一緒にいただくイチジクバターも、三浦さんの推しメニューだ。

I’m Here

THE ROOTS neighborhood bakery

■住所:福岡市中央区薬院4-18-7
TEL:092-526-0150
営業時間:9:00〜19:00
定休日:月曜
https://www.instagram.com/therootsbakery/

関西の名店でスーシェフ(副料理長)として経験を積んだ三浦さんが営む、カンパーニュやバゲットなど本格派のハード系を中心としたベーカリーショップ。「炊きたてのご飯を食べるように、焼きたてのパンをその日に味わってもらいたい」と、カンパーニュを1枚から測り売りで販売。毎週火曜は「ベーグルDAY」と題してスイーツ系から惣菜系まで多彩なベーグルを展開し、これを目当てに遠方から訪れる人も多数! 三浦さんの創意工夫と個性的なアイデアでつくられた個性派パンが人気で、具沢山のサンドやクロックムッシュなど食欲をかきたてるラインナップがずらりと揃う。

〜 エリア紹介:福岡市中央区薬院 〜

城南線と高宮通りの交差点を起点に、北東が1丁目、北西が2丁目、南東が3丁目、南西が4丁目、南西端には薬院伊福町がある。主要道路である大正通りや高宮通りには数多くの飲食店が軒を連ね、城南線沿いにはオフィスビルが建ち並び、「薬院大通」交差点付近にはスーパーやコンビニ、銀行など日常生活に必要な施設も集まっている。バスに加え、電車のアクセス面もよく、西鉄天神大牟田線「薬院駅」、福岡市営地下鉄七隈線「薬院駅」「薬院大通駅」が通り、天神、博多、六本松、大橋や二日市方面への移動がスムーズ。転勤族や移住者に人気の住居エリアだが、ショッピングスポットやカフェも充実していることから、単身女性憧れのエリアとしても注目を集める。

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