■博多 一心亭
住所:福岡市博多区那珂2-22-8
TEL:092-411-4494
営業時間:6:00〜16:00(土曜〜14:00)
定休日:日曜(祝日は不定休)
人気上昇中!那珂が暮らしの拠点に選ばれる理由。
今回フォーカスするのは、JR鹿児島本線・竹下駅から徒歩圏内の「福岡市博多区那珂」。この春、那珂6丁目に九州初上陸の『ららぽーと福岡』がグランドオープンし、幅広い層の注目を集める今一番ホットなまちです。そんな那珂エリアのまちなみや住み心地にはどんな特徴があるのでしょうか。市内に8店舗展開し、本店を那珂に構える『ハニー珈琲』のオーナー・井崎克英さんから、まちについてさまざまなお話を伺いたいと思います!

青果市場跡地に、九州中が注目する新たなランドマークが誕生!
スペシャルティコーヒーを九州に広げたパイオニアであり、福岡の人気カフェやコーヒーショップにも豆を多数卸している自家焙煎スペシャルティコーヒー店の『ハニー珈琲』。その本店と焙煎工場が博多区那珂にあるのをご存知ですか?以前は福岡市中央区清川を拠点にしていましたが、敷地が手狭になったことから、2015年に縁あって那珂へ移転したそうです。
「広めの不動産物件をあちこち探していて、たまたま見つけたのが元倉庫のこの場所でした。物件資料を見たら所有者がうちのお客さんだったことがわかり、うれしいご縁を感じて入居を決めました」

そう懐かしそうに振り返るのは、ハニー珈琲のオーナー・井崎克英さん。スペシャルティコーヒーの世界的品評会「COE」の国際審査員も務める、福岡を代表するコーヒーのスペシャリストです。
ハニー珈琲本店が那珂に越してきた当時は、近所に『福岡市青果市場』の建物が残っており、青果市場がアイランドシティに統合移転する準備が行われていそうです。約8.8ヘクタールの青果市場跡地に何ができるのか、跡地活用に近隣住民をはじめとする多くの人が注目していたと言います。
「青果市場の解体後はしばらく更地状態が続き、僕らは大きなマンションでもできるのかなぁと思っていたら、『ららぽーと福岡』になると聞いて驚きました。以前から東京出張時に豊洲のららぽーとによく行っていたので、僕の中では馴染みが深い施設です。今回は待望の九州初上陸とあって大勢の人が集まって盛り上がるだろうし、周辺の集客効果などまち全体の期待値も上がっているでしょうね」

ららぽーと福岡の開業工事にあたり敷地内や周辺道路も整備され、これまでやや暗かった脇道の見通しが良くなり、植栽の緑も増えて一帯が明るい雰囲気になっています。自転車や歩行者が快適に通行しやすくなり、施設内にはバスターミナルも新設されてアクセスの幅が広がりそう!まさに、青果市場跡地のまちづくり構想で掲げられた「周辺地域の生活の質の向上」「開かれた場づくり」の兆しが伺えます。
施設のエントランスには24.8mもの「実物大νガンダム立像」が立ち、オープン前からすでに撮影スポットとして話題を集めています。頭部と右肩には稼働箇所があり、右腕が動くということで、今後も多くの人の関心を集めそうです。

ららぽーと福岡の外観。西日本初登場のガンダム立像がお出迎え
暮らしやすさは、抜群のアクセス性と店舗の充実性にあり!
もともと那珂の用途地域は大半が準工業地域で構成され、今もエリアの中心地が準工業地域に囲まれています。工場や倉庫、中小企業の事務所、浄化センターなどが建ち並ぶ中、近年は筑紫通り沿いやその裏手にファミリー向けマンションの建設が相次ぎ、人通りからも“生活の気配”が和やかに漂うようになりました。

出典元:「福岡市Webまっぷ」(用途地域表示)。紫色が準工業地域を示します
「昔と比べると那珂エリアは住宅街の雰囲気が色濃くなりましたよね。子連れのファミリー層も多く、那珂小学校や那珂中学校はマンモス校なんだとか!これは私の推測も含みますが、ひと昔前は準工業地域の特性が強かったので地価がそう高くなかったのではないでしょうか。徐々にまちの開発が進み、今は住宅地として人気が出てきたので地価もだんだん上がっていると聞いています」
マンションやアパートが増え、人口・世帯数が増加した理由の一つに、利便性の良さがあげられます。そもそも準工業地域として製造・販売・卸売の営業所が数多く集まっていたのは、博多駅や福岡空港国際線までの近さが大きなメリットになっていたと思われます。アクセス性の満足度はハニー珈琲の井崎さんも同感のようす。

那珂エリアからJR鹿児島本線竹下駅までは約1kmの距離
「那珂を拠点にして気づいたのが、JR竹下駅が徒歩圏内で、博多駅も車でスグという立地の良さ。都市高の出入口も近くて、最寄りの月隈インターは車で5分ほど。そもそも福岡は『空港に近くて便利』と言われていますが、その中でも那珂は国際線まで約2kmと非常に近いので、出張時もお客さんの送迎時も本当に快適ですね」
天神・博多まで車で出かける際もとってもスムーズ。新幹線の高架下沿いの道を使えば10分で博多駅に到着します。「筑紫通りは信号が多く渋滞しやすいので、新幹線の高架下沿いを走るのが地元っ子のお決まりのルートです」と井崎さん。
便利の良さはアクセス性以外にも、スーパーマーケットやレストラン、銀行や郵便局など、生活に欠かせない施設が充実している点もあげられます。

通り沿いに食品スーパーや飲食店が並び、ショッピングモールも数カ所点在
ところで、那珂から徒歩圏内の竹下にある『アサヒビール博多工場』が2025年末に稼働を終え、九州内に移設されるというトピックがあがっています。およそ12万m²の敷地が今後どうなるか、青果市場跡がららぽーと福岡となった前例もあるので、引き続き那珂エリアのまちづくりに注目したいところです。
近隣住民を笑顔にする質実剛健の実力店が点在する安心感。
ハニー珈琲本店が那珂に移転して7年。「清川の時もそうでしたが、地元の人から受け入れてもらえるまでは意外と時間がかかるんです。肌感でいうと3年くらいは必要かな」と井崎さん。ご近所さんに親しんでもらえるまではゆっくり丁寧に、これまで通り実直な姿勢で営みながら、口コミで少しずつ評判が広がり関係性を築いていくような感覚だと言います。

お店ではご近所さんと会話を楽しむ井崎さん
「大型店が多い中で地元らしさを感じる店もあり、例えば、筑紫通りにあるラーメン屋『博多 一心亭』は個人的に好きなお店。ごくごく普通の博多ラーメンなんだけど、すごくおいしいんですよ。朝6時から営業しているのは、青果市場があった頃に関係者が毎朝通っていた名残でしょうね。その営業時間を今も続けているところが硬派でいいなぁと感じます。向かいには『元祖赤のれん 雄ちゃんラーメン』や『達磨ラーメン』があり、お昼時はどこも長列をつくる人気ぶりです」

筑紫通りのラーメン店が集まる一角。那珂の人気ランチスポットに!
「どんなに素晴らしいものを提供したとしても、お客様やご近所さんに愛されないと意味がありません。それは私たちも常々考えていることで、生産者が愛を込めて育てた豆を我々が責任を持って預かり、最大限においしく味わえるコーヒー豆に加工して、お客様にわかりやすくご紹介する。ご近所さんにも受け入れてもらえるように日々の積み重ねを大事にする。誠実で、正直で、愛されるお店をめざしています」

工場では毎日コーヒー豆が焙煎され、コーヒーの香りが外までふわりと漂います。「あ、今日もコーヒーのいい香りがする」と感じる瞬間が暮らしの小さな風情となり、“このまちらしさ”につながっていくのでしょう。また、自分にぴったりな豆を提案してくれたり、心温まる会話ができたり、真面目で温和なハニー珈琲が近くに存在することは、住人にとって安心感につながる気もします。

地元に愛される小さなお店がまちに根付きながら、ららぽーと福岡の開業によってさらに盛り上がりを見せ、治安や交通事情が向上し、利便性も快適性もレベルアップする那珂エリア。わざわざ天神・博多まで行かなくても、大抵のことは那珂ですべて完結し、住み心地のよさを様々な点で実感できるでしょう。出張・移動が多い単身者や、住環境を重視する子育て世帯にもおすすめしたいまちです。これからもまちの発展が期待される那珂エリアは、住宅地としてますます人気が上がりそうなので、引き続き注目してみてください。