〇〇〇ができるまで
賃貸マンション編
#6

めざせ、満室経営!

賃貸マンションのアレコレをわかりやすく紹介します。
第六回目は、賃貸マンション完成後の「入居」にまつわるお話です。

こんにちは、Good life magazineです。

建設業界に関わるモノゴトについて「〇〇〇ができるまで」と題し、さまざまなことのはじまりから完成までをご紹介します。

今回のシリーズは、多くの方が住んでいる「賃貸マンション」がテーマ! 賃貸マンション建築&経営の大きな流れ、重要なプロセス、欠かせないチェックポイント、業界の豆知識を交えて紹介していきたいと思います。

【登場人物】

■相談者:建主・Aさん
所有する土地を活用し、目指すは不動産経営! これから賃貸マンションのオーナーになるために、情報収集に勤しんでいるところ。オーナー経験は初めてなので、マスターから色々と学ぶ予定。
■解説者:賃貸マンションマスター

賃貸マンションについて、ありとあらゆることを熟知するマスター。建築業界人も一目置く存在だとか!? ここでは専門家として、建主・Aさんに賃貸マンション建築の流れや、為になる豆知識を伝授。

安定した賃貸マンション経営のために
管理会社はどう選ぶ?

賃貸マンションマスター
今回は賃貸住宅管理会社(以下、管理会社)に管理業務を任せることを前提に、入居者募集から入居者との契約、家賃管理や退居手続きの流れを解説しますね。

建主・Aさん
すみません、しょっぱなから質問が…! 管理会社はどのタイミングで決めるんですか?

賃貸マンションマスター
初めて賃貸マンションを経営する場合、建築中に同時に「どの管理会社に依頼するか」を検討していくのがいいでしょう。ただ、どのタイミングで決めるかは建主次第のケースバイケースですね。

建主・Aさん
う〜ん、オーナー経験が初めてなので管理会社選びから迷いそう。

賃貸マンションマスター
管理体制がしっかりしていて、入居をすぐ決めてくれる仲介力のある会社がいいですね。また、建物がいつもピカピカで清掃が行き届いていることや、トラブルやアクシデント時の対応力を重視する方もいます。建設会社の中に管理部門があれば理想的ですね。建物のことをよく分かっているのでスムーズに任せられます。

建主・Aさん
個人的にはやっぱり安定した収益を確保したいなぁ。家賃の設定額はどうやって決めたらいいですか?

賃貸マンションマスター
管理会社から地域に応じた家賃の相場や市場のニーズ、周辺環境など、判断材料となる情報をもとに家賃設定について提案をもらい、建主自身の収支を考えて、相談しながら最終決定していく流れかと。ここで重要なのは、時代のニーズと合致させること。そうすれば賃貸マンション経営も安定化するはずです。

効果的な物件PRで関心を集め、
入居者を募集しよう!

賃貸マンションマスター
家賃設定や募集条件が決まったら、早速入居者募集に移ります。インターネットの不動産サイトなどに建物情報を登録し、マンションのPRポイントをより多くの人の目に触れられるように仕掛けていきます。このあたりの募集活動は管理会社が効率的に進めてくれます。

建主・Aさん
マンションの魅力を、より多くの人に見てもらいたい〜! いち早く満室を実現したい〜!

賃貸マンションマスター
場合によっては、「ホームステージング」という手法で空室対策を行うこともありますよ。

建主・Aさん
むむむ、「ホームステージング」とは!?

賃貸マンションマスター
賃貸マンションの入居者募集中の部屋に、ダイニングテーブルやソファ、照明、ベッドなどを簡易的に配置し、生活イメージを演出するのです。モデルルームと呼ぶこともありますね。お客様に「ここに住んでみたい!」と意欲を湧かせることで成約率アップが望めると言われています。

建主・Aさん
確かに、何もないガランとした部屋より、少しでも家具が置いてあると、そこでの暮らしがイメージできて好印象に繋がりますね!

賃貸マンションマスター
設備や間取りの特徴をポップに紹介したり、小物を一つ置くだけでも、お客様の関心を引くきっかけに。こうしたひと手間も成約率を上げるためのコツです。ただし、ホームステージングの経費は建主負担となる場合もあるので、あらかじめ管理会社と相談しながら検討してください。

慎重に進めたい入居審査と契約業務。
知識&経験豊富なプロに任せましょう。

賃貸マンションマスター
入居希望者から申し込みが入ったら、入居審査が行われます。この業務は高い専門性が求められ、必要書類も多数ありますので、プロに任せた方が安心ですね。入居審査や保証会社・連帯保証人との保証契約など、賃貸借契約までに必要な業務は管理会社がほとんどやってくれるので、建主は申込者の内容報告を受けるだけで済みます。

建主・Aさん
健全なマンション経営のためにも、滞りなく家賃を支払える人や、部屋を丁寧に扱ってくれる人に入居してもらいたいな。

賃貸マンションマスター
審査が通ったら、入居者に契約の内容を十分に理解してもらうために重要事項説明が行われます。これも入居後のトラブルを防ぐための重要なステップで、仲介する不動産会社は契約の前に必ず行うことが宅地建物取引業法で義務づけられています。建物や部屋の設備、契約更新、退居時の金銭の精算などに関する細かい取り決めを記した「重要事項説明書」を借主に交付したのちに、賃貸借契約の締結へと進みます。

現実的かつシビアだけど大事なこと。
家賃集金やクレーム対応はどうする?

賃貸マンションマスター
建主自ら入居者に家賃の集金を行うケースもありますが、ごくわずか。ほとんどの賃貸マンションが管理会社を介して家賃を集金するので、建主と入居者が直接お金のやりとりをすることは基本的にありません。

建主・Aさん
建主が直接集金に関わらなくていいのは気が楽ですね。ちなみに管理会社から建主へ送金される家賃は、管理会社に支払う費用を差し引いた金額でしょうか?

賃貸マンションマスター
はい、そうなると思います。もしも入居者から家賃の請求書等を求められたら、その対応も管理会社がしてくれますよ。

建主・Aさん
入居中の部屋の設備に不具合が生じたり、騒音等の問い合わせが入ったら、建主はどうしたらいいですか?

賃貸マンションマスター
入居者とのやりとりも管理会社が建主に代わって対応してくれるのでご心配なく。設備の不具合に関しては必要に応じて修理業者を手配するなど、解決に向けて働きかけます。また日頃の管理業務として清掃をはじめ、共用部の照明の取り替え、エレベーター、消防設備などの点検・保守も定期的に行われます。そういった建物の点検・保守費は入居者からいただく「共益費」で賄うことが通常で、共益費の運用も管理会社が担当することが主流。オーナーは別途、20年後、30年後と必要になってくる大規模修繕を見越して、計画的に費用を備えておくと安心ですね。

いずれは迎える退居のタイミング。
トラブルを避け、速やかに満室をめざす!

賃貸マンションマスター
退居の受付や解約手続きも、管理会社が行うので建主はほとんど煩わしさはありません。建主は次の入居者を迎える為の部屋作りとして、原状回復やクリーニングの内装工事についての打ち合わせを管理会社と行います。この時に時代のニーズに合ったリフォームや家賃設定の見直しなどを必要に応じて行い、速やかな入居募集に繋げましょう。

建主・Aさん
なるほど、ここからまた新たな入居者募集のスタートですね。ようやく賃貸マンション完成後の全体の流れが掴めた気がします。マスターが言うように管理会社のサポートを得ながら、満室をめざして賃貸マンションを経営していきたいと思います!